資産運用
保険会社が販売している年金などの貯蓄商品にしても、その名前からのイメージほどの利回りはなく、老後の生活を補填するのには充分なものではありません。
それもそのはずで、保険会社がお客様から預かった保険料は長期国債などで運用しているだけですから、元本保証の金融商品で長期金利を上回る利回りのものなど存在するはずはないのです。
それでも銀行預金よりはまだましなので、そういうもので運用することもけっして悪いと言っているわけではありません。
しかし、それだけでは必要な老後資金を貯められないのであれば、元本を保証されるものだけで運用するのは諦めて、価格の変動する金融商品での運用も加えるしか方法はないでしょう。
でも、過去に株や投資信託でずいぶん損をしてきたから、その手の金融商品に懲りている人もたくさんいらっしゃると思います。
本来、上がるか下がるかに賭けるだけであれば、1/2の確率で半分ぐらいの人は儲かっていてもおかしくないはずなのに、巷には株で損をしたという話の方が断然多いのは何故でしょうか?
それは、買ってはいけないタイミングで買わされていることがほとんどだからなのです。
人は大抵の物についてはなるべく安く買おうとするのに、株式などでは高くなったところを買いたがる傾向があるようです。その理由としては、株価上昇をしている時は景気も好転ムードになっているので、さらに株価上昇するような気がして買いたくなるからなのでしょう。
株式や投資信託を勧める証券会社や銀行なども、そういう時の方が購入してもらい易いので、結果としてほとんどの人が高値をつかまされることになるのです。
つまり、上がるより下がる確率の高いところで買わされるのだから、損をする人の方が多くなるのは当然です。
それならば安いところで買えばいいじゃないかと言っても、リーマンショックのように大暴落している時にそこで買うことなどプロでも出来ません。
また、どこが底値なのかはその時点ではわからないものなのですから、ベストタイミングを狙うことは容易なことではないのです。
どこがベストタイミングなのかわからないものに、一括で投資をするのはギャンブルに等しい行為で、ある意味では失敗して当たり前のことをさせられて来た訳です。
日々変動するマーケットを相手に投資をするのですから、1回で購入するのではなく、複数回に分けて投資タイミングを分散することでコストを平均化するべきなのです。
近年のマーケットは数年の周期で一定の幅を上下する傾向があるので、この手法で平均化されたコストを市場が上回る時まで、じっと待つ事が出来さえすれば収益をあげることは可能となります。
もちろん、この投資方法では資金が何倍にも大化けするようなことは起こりません。しかし、預金金利や元本保証商品の利回りを上回るぐらいの収益を実現することは、じつはそれほど難しいことではないのです。
このやり方で収益を得られるかどうかは、自分の平均コストを上回るまで「待てるかどうか」で決まります。
多くの人は、ほとんど利息のつかない定期預金に10年ぐらい平気で預けておけるのに、株式などが対象となると短期間で利益をあげようとしてしまいます。
これが一般の人がマーケットで敗退する主な原因のひとつです。
また、リスクを一極集中させないために、投資対象をなるべく多くの銘柄に分散することも重要です。
そのために私は投資信託の活用をお勧めしております。
投資信託は1万円から購入することが出来るので、1万円で数十社の株式を買うのと同じ効果が得られるからです。これが投資信託の最大の利点です。
これを活用すれば少額の資金でも世界中の株式に分散投資が出来るのです。
投資対象と購入するタイミングを可能な限り分散することで、市場における様々なリスクを低減させて、誰にでも出来る資産運用プランもございます。
少子高齢化社会で年金不安も高まり、「長生きもリスク」という時代を迎えるこの国で、皆様が抱える老後資金への不安を少しでも解消するために、預金の一部を投資信託を活用した長期分散投資に振り分けてみてはいかがでしょうか。